学校作業療法とは

ゆいまわるの学校作業療法

ゆいまわるの学校作業療法の4要素
ゆいまわるの学校作業療法の4要素

ゆいまわるの学校作業療法には、4つの大切にしている考え方があります。

「届けたい教育」に焦点を当てるの図解イラスト

問題ではなく、先生・保護者・子どもの「こうなってほしい」を出発点にします。

教育の「届け方」をデザインするの図解イラスト

教育の中身は変えず、子どもの力を多角的に分析して「届け方」を一緒に工夫します。

先生のエンパワーメントの図解イラスト

先生がもともと持っている教育の良さを一緒に見つめ、安心してチームの一員になれる関係を築きます。

「卒業」につながる支援の図解イラスト

先生と保護者と子どもの力で、道をつくっていけるようになることが、ゆいまわるの目標です。

ゆいまわるの学校作業療法の
学校でのあり方

「届けたい教育」に焦点を当てると、何が変わるか

「届けたい教育」に焦点を当てるの図解イラスト

授業中に立ち歩く。給食を食べない。友達とぶつかる。こうした行動は、つい「減らすべき問題」として扱われがちです。でも、先生や保護者が「問題」と感じるのは、「こうなってほしい」と強く願っているからです。

ゆいまわるは、その願いを具体的な目標にします。
マイナスをゼロにするのではなく、願いの実現に向けて、まず「できること」から始める。

ゆいまわるは先生の教育そのものを変えず、先生の今持っている教育を大切にしたいと考えています。

先生が届けたい教育は、とても素晴らしいものです。ただ、子どもの特性によって、その教育がうまく届いていないことがある。受け取れていないことがある。だから「届け方を、一緒に工夫しましょう」と提案します。

教育の「届け方」をデザインする

教育の「届け方」をデザインするの図解イラスト

では、「届け方を工夫する」とは具体的にどういうことでしょうか。

あるクラスでは、おしゃべりが多く授業が成り立たないことに先生が悩んでいました。ゆいまわるのスタッフが丁寧に観察すると、子どもたちは座ることに過剰な努力を必要としていて、本当は活躍したくて先生のことを気にしていることがわかりました。先生は、立って移動する授業スタイルをつくりました。子どもたちは座ることへのストレスが減り、半分以上の子が挙手するクラスに変わっていきました。

教育の中身は変えていません。先生はもともと持っていた「この子たちに活躍してほしい」という願いを、少し違う形で届けただけです。

届け方が変わると、子どもの参加の仕方が変わり、先生の手応えも変わる。
その子の「できること」を見つけ、それを活かした道筋をデザインしていくのが、ゆいまわるの役割です。

先生のエンパワーメント

先生のエンパワーメントの図解イラスト

外部の専門家が学校に入ると、先生はどうしても身構えてしまいます。
「自分の教育が評価されるのかな」「やり方がよくないと思われるのかな」。

学校に外部の人が入ること自体に緊張が伴うのは自然なことです。

だからこそ、ゆいまわるが最も大切にしているのは、先生に安心してもらうことです。
先生が届けたい教育は、とても素晴らしい、それを先生ご自身にわかってもらいたいのです。

ただ、子どもの特性によって、うまく届いていないことがある。だから「届け方を、一緒に工夫しましょう」と提案する。 「誰が悪かったか」ではなく「どう届けようか」を話し合う。支援会議に笑いが起きることも珍しくありません。

先生が安心して教育に取り組めるようになれば、子どもは自ずと成長していきます。ある先生は、ゆいまわるの関わりについてこう話してくれました。

「新しいやり方とか、画期的とか、そんな感じじゃなくて、なんとなく、自分たちが昔から知っていたような感覚さえもつんだよ」

先生が元気でいられることが、子どもの成長の条件だと、私たちは考えています。

「卒業」につながる支援

「卒業」につながる支援の図解イラスト

「卒業」は、「完全に成長した」という意味ではなく「この生活のなかで、成長していけると思えるようになった」ということです。

たとえば、支援を始めた頃に「これでいいのでしょうか」と不安そうだった先生が、数か月後には「これがいいと思う」と自分の言葉で語るようになっていく。保護者にも同じことが起きます。

その変化が見えたとき、チームで「卒業」を話し合います。

もちろん、不安が残っていれば支援は続きます。卒業を急がせることはありません。焦らず、その子のペースで、「自分たちで歩いていける」と思える日まで。

先生と保護者と子どものチームが自分たちの力で歩いていけるようになるために、一時的に力を貸す。それが、ゆいまわるの「黒子」としての役割です。

問題を追いかけても、
生活は変わらない

なぜゆいまわるは「問題」ではなく「届けたい教育」に焦点を当てるのか。その背景を、少しお話しさせてください。

ある小学5年生の男の子のことです。

机に突っ伏してしまう小学生のイメージ

先生も保護者も、1年生の頃からずっと向き合ってきました。

「怠け癖がつかないように」と厳しく接し、何度も面談を重ね、校内で支援会議も開きました。3年生では忘れ物が増え、4年生で行き渋りが始まり、5年生になっても生活は変わらない。

学校も家庭も「これ以上どう対応したらいいのかわからない」。そうしてゆいまわるへの相談に至りました。

ゆいまわるが最初にしたのは、先生と保護者に「この子に本当はどうなってほしいですか」と聞くことでした。

何が問題かではなく、どうなってほしいかを聞く。すると先生は「苦手なことがあっても、できることで自信をもってほしい」と話してくれました。そこからチームの目標が変わり、関わり方が変わり、少しずつ、この子の学校生活にも変化が見え始めました。

この話は、特別なケースではないのです。

学校作業療法とは何でしょう?

代表仲間の学級内での分析
作業療法士が先生に分析の報告・フィードバック

学校という場での作業療法

「作業療法」と聞くと、病院のリハビリを思い浮かべる方も多いかもしれません。
手足を動かす練習、日常動作の訓練──。

学校作業療法は、教室での子どもの日常を支える取り組みです。

学校作業療法とは、作業療法士が教育現場に入り、子どもたちの学校生活を、先生や保護者といっしょに支える取り組みです。

作業療法士が見ているのは、給食の時間にその子がどんな顔をしているか、休み時間に誰と何をしているか、といったことです。教室で、給食で、休み時間で、その子がどう過ごしているかを丁寧に見て、その子の力が発揮される環境を一緒につくっていきます。

ある学校の校長先生は、このように表現してくださいました。

「制度」と「技術」。
学校に入る仕組みと、そこで何をするか

学校作業療法を理解するうえで、押さえておきたい区別があります。それは「制度(乗り物)」と「技術(中身)」です。

大切なのは、訪問先で何を見て、何を提案し、どうやって子どもの生活を変えていくか。

ゆいまわるには、2009年から積み上げてきた技術があります。先生との協働のしかた、子どもの「できること」を多角的に分析する方法、チームで目標を共有するプロセス。それらをパッケージ化し、地域や学校のニーズに合わせてカスタマイズして届けています。

ゆいまわると先生との関係

作業療法士が廊下から邪魔にならないよう子どもの分析をする写真

保育所等訪問支援で一人の子どもに寄り添いながら、先生との協働を通じてクラス全体の環境が変わっていく。
行政委託のまちOTでは学級全体の環境づくりに入りながら、一人ひとりの子どもを丁寧に見る。
個別から入って全体が変わる、全体に入りながら個別を見る。

その往復ができることが、ゆいまわるの強みです。

分析のフィロソフィー

ゆいまわるの支援において重要な要素が「分析」です。

OTが体の使い方を見ているときもあれば、STがその子の言葉の理解度を確認し、心理士が表情や対人関係を観察している。同じ子どもを、多職種の違う角度から見られるのがゆいまわるの強みです。

その分析を記録・共有することで、先生たちに「この子はこういう理由で、こんなことができるんですよ」と多角的に伝えることができます。

分析の詳しいプロセスや支援の流れについては、【ゆいまわるの『分析』】ページでご紹介しています。

書籍のご紹介

ゆいまわるの学校作業療法についてもっと深く知りたい方には、代表・仲間知穂の著書をおすすめしています。

仲間知穂著『学校に作業療法を 』

『学校に作業療法を 』
(クリエイツかもがわ)

仲間知穂著『「届けたい教育」をみんなに』

『「届けたい教育」をみんなに』
(クリエイツかもがわ)

『学校作業療法ガイドブック』

『学校作業療法ガイドブック』
(共著:友利幸之介 青海社)

もう少し詳しく知りたい方へ

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。学校作業療法についてもう少し詳しく知りたい方は、それぞれの立場に合わせたページをご用意しています。

お子さんの学校生活のことで気になることがあれば、まずはゆいまわるの学校訪問支援について知っていただければと思います。保護者契約の福祉サービスとしてご利用いただけます。

先生の「こうしたい」を支えるのが、ゆいまわるの仕事です。「届け方」を一緒に考えるコンサルテーションについて、詳しくご紹介しています。

地域の学校に作業療法の視点を取り入れる方法は、いくつかあります。ゆいまわるでは、自治体との協働による巡回支援や行政委託事業を、地域のニーズに合わせてカスタマイズしてお届けしています。

学校作業療法をもっと深く学びたい方には、研修・講演でお伝えしています。書籍も合わせてご覧ください。

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